整体・エステの広告で気をつけたい「小顔」表現の違反事例を解説

整体院やエステサロンの広告では、小顔整体や小顔矯正など、「小顔になる効果」をうたうサービスをよく目にします。しかし、施術による小顔効果の表現は、景品表示法で指摘を受けるケースが多発しており、使い方に注意したい表現です。実際の違反事例をもとに解説します。

景品表示法とは

整体やエステによって「小顔になる効果」をうたう広告では、景品表示法で指摘を受ける事例が多発しています。では、景品表示法とはどのような法律なのでしょうか。

景品表示法とは、不当な表示による顧客誘引を禁止する法律で、正式名称は「不当景品類及び不当表示防止法」といいます。

ここでいう「不当な表示」とは次のようなものを指します。

  • 「優良誤認」を招く表示…実際よりも品質や規格が優れていると思わせる表示
  • 「有利誤認」を招く表示…実際よりも価格などがお買い得であると思わせる表示
  • その他内閣総理大臣が指定するもの

景品表示法には課徴金制度(※1)があります。課徴金は、不当表示をした商品・サービスの売上額が5,000万円未満のときは対象にはなりません。しかし、課徴金の対象にならなくても、措置命令(※2)が出されることはあります。措置命令が出されると、消費者庁のウェブサイトで事業者名や違反内容が公開されます。

(※1 課徴金制度とは、違反者に対して金銭的負担を課す制度です。)
(※2 措置命令とは、違反行為が認められた事業者に対し、一般消費者に与えた誤認の排除、再発防止策の実施、今後同様の違反行為を行わないことなどを命ずることです。)

事業者名がオープンになることで社会的信頼を失ってしまうリスクがあるため、景品表示法は整体院やエステサロンが気をつけたい法律のひとつです。景品表示法の管轄は消費者庁ですが、都道府県知事も景品表示法に基づく権限を有しており、都道府県が措置命令を行うこともできます。

次の項目では、小顔になる効果をうたう広告で景品表示法に基づく措置命令を受けた事例をいくつかご紹介します。

整体・エステによる「小顔」表現の違反事例①

小顔サービスを提供する事業者9名が景品表示法違反(優良誤認)で措置命令を受けた事例 「 1回の施術で顔の横幅を数センチ縮める独自の小顔矯正法です。」 「1回の施術後、アフターケア2~3回で固定するのが特長です。何十回も通う必要はありません。」 「頭蓋骨を本来の形に整える独自の矯正法で施術を行っています。ほとんどの方が1回で効果を感じています。」 などと表示。(平成28年6月30日)

→頭蓋骨の歪みやずれが矯正されることにより、直ちに小顔になり、かつ、それが持続するかのように示す表示をしていました。消費者庁は合理的な根拠が認められないと判断し、措置命令を行いました。

参考資料:消費者庁ウェブサイト
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/160630premiums_1.pdf

整体・エステによる「小顔」表現の違反事例②

小顔サービスを提供する事業者が景品表示法違反(優良誤認)で措置命令を受けた事例 「ご存知でしたか?頭蓋骨って動くんです!」 「骨を直接動かしますので、小顔効果も持続性も段違いです。」 「他店にはない「骨が動く」感覚を、ぜひ実感してみてください。」 などと表示。 (平成31年3月11日)

→合理的な根拠がないにもかかわらず、頭蓋骨を動かすことで小顔になり、その効果が持続するかのように思わせる表示を行っていました。静岡県は措置命令を行いました。

参考資料:静岡県公式ホームページ
http://www.pref.shizuoka.jp/kenmin/km-110/30keihyouhousochi.html

整体・エステによる「小顔」表現の違反事例③

小顔サービスを提供する事業者2社が景品表示法違反(優良誤認)で措置命令を受けた事例 「頭から顔まで骨格をじっくり矯正。顔筋マッサージにより、骨・筋肉を正常な位置に。」 「あご、目の大きさ、鼻の高さが変化していき、施術終了後には見違えるほと小顔に。」 などと表示。 (平成31年2月20日)

→頭蓋骨の歪みやずれが矯正されることにより、目の大きさ、鼻の高さ、エラの張り、額の広さ、ほお骨の位置及びあごの形が変化し、かつ、小顔になるかのように表示していました。東京都は合理的な根拠が認められないと判断し、措置命令を行いました。

参考資料:東京都庁総合ホームページ
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2019/02/21/20.html

まとめ

景品表示法違反(優良誤認)の事例についてご紹介しました。

景品表示法は、消費者が確かな商品やサービスを選ぶための法律です。景品表示法で指摘を受けないためには、過去の違反事例と同じ表現を使っていないか、また、合理的な根拠がない表示をしていないか、よく確認することが大切です。

良いサービスを提供していても、消費者に誤解を与えるような表現や、事実とは異なる表現を使っていたら、取り締まりを受けてしまう可能性があります。消費者にサービスの良さが正しく伝わるように意識した表現を使いましょう。

参考サイト:消費者庁ウェブサイト(景品表示法)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/