美容室の外装&内装にかかる費用と店づくりのポイント

美容室で長く勤務するうちに、「自分の店舗を持ってみたい」という志を持つ美容師さんは多いのではないでしょうか。さまざまな経験を積み、仕事や技術習得に努力している方ほどその傾向は強まるかもしれません。しかし、世の中には多くの美容室があり、3年以内に90%が廃業してしまうといわれています。

今回の記事では、競争の激しい美容業界の中で、生き残る店舗を作るためのポイントを物件、外装、内装に分けてご紹介していきます。

いい物件の選び方

一般的に「いい物件」というと、“駅に近い”、“繁華街にある”、“商業施設内にある”など、多くの人が集まる場所が当てはまるとされています。しかし、これらの物件は便利な分だけテナント料や賃料が高額になりやすいもの。「人通りの多い場所だから」「駅近で便利な場所だから」という理由だけで、安易に物件を選ぶのは危険です。

まずは、店舗となる物件の選び方についてご紹介します。

自分のスキルと相性がいい地域を選ぶ

美容師さんによって、カットやカラー、パーマなど、得意な施術があるのではないでしょうか。得意分野は、そのまま自分の強みです。強みを生かして、お客様から「あの店に行けば、今流行りのカットにしてもらえる」、「あそこの店では、綺麗にパーマをかけてくれる」というような評判(ブランド)を得られれば、売上も安定していきます。

この強みを存分に発揮するには、そのスキルが求められている地域に店舗を構えることが大切なポイントです。たとえば、カットが得意な方なら学生が多い地域、カラーが得意な方なら20~30代の女性が憧れる街が「スキルに合った地域」となるでしょう。

「目指したい店舗イメージ」から立地を考える

自分が目指したいお店のイメージ(コンセプト)から、物件の立地を考える方法もあります。たとえば、「主婦をターゲットにした、子供と来店しやすい美容室」を目指すなら、店舗を構える場所は家族連れが足を運びやすい公園の近くや、商店街の近くなどが向いています。

この考え方で立地を選ぶ場合は、「近隣に似たような業態の店舗があるかどうか」が重要なポイント。似た店舗が近くにある場合、新規開業してもお客様が集まらない、価格競争が起こるなどの危険があります。車、自転車、徒歩で15分以内に同じような業態の店舗がないか、事前にチェックしましょう。

店舗工事にかかる施工費用ってどれくらい?

配管工事や熱源工事が必要となる美容室では、坪単価15万円~50万円程度が工事費用の相場とされています。高級感のある店舗にしたい場合は、坪単価50万以上になるケースも多いようです。

また、初期費用は新築か、貸店舗を利用するかによって大きく異なります。貸店舗(テナント)なら開業時の費用が抑えられるため、新築への強いこだわりがなければ、立地や坪数、費用などが条件に合った物件を改装するのがオススメです。

安全に開業するなら、「貸店舗で開業して初期費用をおさえ、事業が軌道に乗ったタイミングで新築の店舗を建てる」という流れのほうが、リスクを抑えた経営を行えるでしょう。

お客様の心理を考えた外装をつくる

店舗の外観は、見た人の第一印象を決める重要なポイントです。お客様に店舗を印象づけるため、コンセプトやターゲットを意識した外観を作り込みましょう。

ターゲットを意識した外装デザイン

外装は、ターゲット層や、お客様の心理を考えたデザインにすることが大切です。たとえば、ガラス張りになっている美容室は、中の様子が分かりやすく、一見するとお客様に親切な外装のように感じるかもしれません。しかし、店内にいるお客様からしてみると、カットやパーマ途中の様子を外から見られてしまうことになります。

とくに女性のお客様は、ガラス張りの店舗を苦手としている場合も多いため、女性をターゲットにする予定なら避けたほうが無難かもしれません。

玄関から“非日常感”を演出する

店舗の玄関をコンセプトに合わせて作り込むと、“特別感”や”非日常感”を演出できます。“非日常感”には、たとえば、旅行先で記念品やお土産がよく売れるように、オプションサービスや店販商品の購入を促す効果があります。

非日常感を演出するには、照明の照度や香り、音を利用し、外の風景をなるべく遮断するように意識するといいでしょう。空港のラウンジや、ホテルのロビーなどを参考にするといいかもしれません。

ターゲットを意識した内装の考え方

内装は、お客様からの店舗の印象を左右する大切なポイントです。
では、どのようなデザインが集客に効果的なのでしょうか。

空間のモダンさを演出するにはモノクロ、温かさを出すためには木目調を

内装デザインには、ターゲットを意識した作り込みが大切です。ターゲットの年齢、性別、趣向などを考え、それに合わせたデザインを決めましょう。お洒落、モダンさを演出するには「黒」や「白」で統一した内装がオススメ。色味を抑えた空間を作り、クッションのような小物に差し色を使うといいでしょう。

暖かみのある空間にする場合は、木目調や暖色系で統一すると効果的。
その他に間接照明を取り入れても、優しい印象になります。

「オシャレさ」だけではなく「お客様の安心感」も大切に

お客様に喜ばれる内装を作るなら、オシャレな雰囲気づくりだけでは工夫が足りません。シャンプー台の間に仕切りを立てる、隣のお客様との間隔を広げるなど、くつろぎやすく、プライバシーを重視した空間こそ、お客様に好印象を与えやすくなるでしょう。

10年後も残る店舗をつくるためにできること

競争の厳しい美容業界で開業し、売上を安定させるためには、経営面でのさまざまな工夫が必要です。外装や内装の工夫も、店舗の集客や売上にかかわる大切な要素のひとつ。今回ご紹介した内容を参考に、ターゲットの心をつかむ店舗デザインをもう一度考えてみてはいかがでしょうか。